訪問日:2024年2月8日(木)
長崎ちゃんぽんとは
長崎といえば真っ先に浮かぶといっても過言ではないほど、定番中の定番の名物として全国的に知られている麺料理「ちゃんぽん」。

発祥の歴史については諸説あるそうですが、通説となっているのは、長崎市に現存する明治32年(1899年)創業の老舗中華料理店「四海樓(しかいろう)」の初代である陳平順氏が生みの親であるという説。
陳平順氏は明治25年にこうもり傘一本だけを持って福建省福州から長崎へ渡り、日清戦争を機に華僑に対する風当たりが強くなる中、行商などをしながら無心で働き、苦労しながら資金を貯えて「四海樓」を創業。
「ちゃんぽん」は長崎に来ていた中国人留学生のために、安くてボリュームがあり、栄養価が高いものを食べさせようと考案された料理で、ルーツになったのは「湯肉絲麺(とんにいしいめん)」という福建料理。
「湯肉絲麺」は豚肉、椎茸、筍、ネギなどを入れたあっさりしたスープの麺料理で、これをより濃いめのスープ、豊富な具、独自のコシのある麺を合わせて日本風にアレンジしたものが「ちゃんぽん」。
当時は「支那うどん」と名付けられていたそうですが、「ちゃんぽん」と呼ばれるようになったのは明治後期頃~大正時代になってからで、名付け親については定かではないようです。
由来については以下のように諸説あるといわれています。
○福建語に「吃飯(シャポン又はセッポンと発音する)」という「ご飯を食べる」という意味の言葉があり、それが訛って「ちゃんぽん」になったという説。
○様々なものを混ぜる・混合するという意味の言葉「ちゃんぽん」が由来という説
○中国の鉦(かね)のチャンと日本の鼓(つづみ)のポンを合わせて「ちゃんぽん」と言ったという説
○江戸時代に既に「ちゃんぽん」という言葉があったという説
また「四海樓発祥説」の他に有名な説としては、明治初年に既に長崎人の本吉某が長崎市丸山で支那うどんを「ちゃんぽん」の名で売り出していたといわれており、「勝海舟が丸山でちゃんぽんを食べとても喜んだ」と語り継がれているとのこと。
「ちゃんぽん」は発祥以降、中華鍋一つで作れる美味しくて栄養たっぷりな麺料理として、長崎県内をはじめ他県の飲食店でも提供されるようになり、全国的に知られる存在に。
長崎の他にも佐賀、福岡、熊本、愛媛、滋賀、秋田など、具材や麺の違いや、和風、あんかけといった、様々な個性を持ったご当地ちゃんぽんが誕生しています。
長崎のものは「長崎ちゃんぽん」として独自の特徴があり、スープは豚骨・鶏ガラ主体の濃いめで、具材は自由ですが、一般的には豚肉と長崎特有のはんぺん(紅白かまぼこ)に、キャベツ、ネギ、モヤシといった野菜類、イカ、エビ、貝といった魚介類などが入ります。
調理法として特殊なのは、麺をスープで煮こむために中華鍋一つで調理が可能で、麺は「唐あく」と呼ばれる長崎独特のかん水で製麺したものが使用されます。
中国菜館 江山楼

今回訪れたお店は、長崎県長崎市、長崎新地中華街にある中華料理店『中国菜館 江山楼』。
創業は1946年9月。
最初は中国福建省出身の王玉官さんと上海出身の王梅瑛の夫婦が、中華街の片隅にて鍋とテーブル一つで始めたお店だったそうです。
現在では「長崎ちゃんぽん」を代表する人気店として知られており、2025年1月に確認した時点で長崎県内の食べログちゃんぽんランキングで3位という高評価。
食べログの中国料理百名店には2023年と2024年に選出されています。
さだまさしさんの行きつけのお店としても有名で「秘伝」というお店のイメージソングもプレゼントされています。
また、元々は豚骨を少し入れたスープだったそうですが、さだまさしさんが取材で「100%鶏ガラ」と言ったことから、鶏ガラ100%のレシピに変えたという逸話もあるそうです。
私は2020年に本店に行ったことがあり、ちゃんぽんが絶品でお気に入りになったお店。
当時は本店と新館、そして浦上店の合計3店があったと思いますが、現在は1996年11月にオープンした新館のみが営業しているようです。
本店は2021年の末?に閉店したそうで、今回現地に行ってから初めて知り、衝撃を受けました。
なので今回は新館の方へ初訪問です。
アクセス
場所は新地中華街駅から徒歩4分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には夜営業の開店時間2分前である16時58分に到着しましたが、この時既に営業していました。
私の他にもお客さんが続々と入店していきますが、席数も多くて特に待ち時間無く入店。
その後もお客さんはどんどん増えていきましたが、私が退店する17時半過ぎまでには満席にはならず、待ちは発生していませんでした。

前回2020年のランタンフェスティバル開催時の日曜に行った際は、30組以上の待ちがあったので、今回はすんなりと入れて本当に良かったです。
メニュー・商品ラインナップ


多分メニューに★が付いているものはオススメか人気メニューということだと思います。
目当てのちゃんぽんは「ちゃんぽん」と「特上ちゃんぽん」があり、特上にはフカヒレなどが入って具材が豪華になるようです。
今回は普通の「ちゃんぽん」と、★が付いていた「黒炒飯」を注文!
感想

【ちゃんぽん】1320円(税込)
具材の内訳は炒め野菜にかまぼこ、豚肉、あさり、イカなど。
スープは旨みたっぷりでクリーミー重厚な味わい。

麺はややまばらな形状の太麺でモッチリとした食感。
具材はほんのり香ばしくて、野菜はシャクシャクと食感が良い感じ。
あさりとイカ、豚肉は旨みの良いアクセントになります。
ここは特にスープが美味しくて、久しぶりに食べても感動の美味しさのちゃんぽんでした。

【黒炒飯】1760円(税込)
値段は高めですが量もかなり多め。
まるで神戸名物の「そばめし」のような印象を受けますが、黒炒飯は中国のたまり醤油の「老抽」というものが使われるそうで、その見た目とは裏腹に塩味は控えめでまろやかな味付け。
独特の香ばしさとコクがあり、一般的な炒飯とはまた異なる面白い味でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
中国菜館 江山楼 中華街新館
095-820-3735
長崎県長崎市新地町13-13
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