訪問日:2025年9月29日(月)
ういろうとは
一般的には名古屋名物の代表格として全国的に知られている和菓子「外郎(ういろう)」。
他にも神奈川(小田原)、京都、山口、三重(伊勢)、徳島、宮崎(青島)など、様々な地域で名物になっています。
原材料や製法、味、食感、見た目は製品や地域によって様々なものが存在するようですが、例えば名古屋のういろうは、米粉と砂糖を主原料に蒸して仕上げるお菓子で、モッチリとした食感とズッシリとした重量感が特徴。
Wikipediaによると発祥の歴史は室町時代に遡るそうで、以下の2説が通説になっているとのこと。
●元の国の礼部員外郎職(薬を扱う職)だった陳延祐が日本に亡命した際、博多に伝えた痰止めの秘薬「透頂香」の別名が「外郎」であり、黒砂糖を使ったお菓子がこれに似ていることから「外郎」と呼ばれるようになったという説
●陳延祐の子、宗奇が足利義満の招請で上洛して外郎薬を献上した際、口直しに添えた菓子が由来という説
発祥の地は名古屋ではなく、外郎家初代となる陳延祐の在住した「博多」か、2代目宗奇が在住した「京都」のどちらかと考えられているとのこと。
全国的に名古屋名物として知られるようになったのは、「青柳総本家」が名古屋駅の構内とプラットホームでういろうの立ち売りを始め、東海道新幹線が開通した後に全列車内での車内販売を行ったことがきっかけだそうです。
小田原のういろう

今回訪れたのは、神奈川県小田原市本町にある、「ういろうの本家」として知られているお店『ういろう』。
こちらは上述のういろうの歴史にある外郎家が、現在まで伝統を守り、受け継いできた薬とお菓子、両方の「ういろう」を販売しているお店。
外郎家は応安元年(1368年)に、中国「元」の役人であった「陳延祐」が、元の滅亡時に博多に亡命し、元での官職名に因んで「外郎」と名乗ったことが始まり。
初代・陳延祐は博多で亡くなられたそうですが、2代目となる子の「陳外郎大年宗奇」は室町幕府3代将軍・足利義満の招聘を受けて京都に上がり、医術や大陸の知識、外交力を発揮し、朝廷、幕府に重用されたとのこと。
応仁の乱(1467年~1477年)により京都の治安が悪化し、家と家伝薬の存亡が危惧されるようになったため、伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)の招きにより、5代目外郎藤右衛門定治が永正元年(1504年)に小田原に移住。
医療技術を買われただけでなく、商人、外交官など様々な役割を担い、大陸の知識と情報力に長けたことから軍師として北条五代に仕え、北関東などに薬を提供しながらその土地の情勢を聞き出し、戦の動向を計る諜報活動に関与していたともいわれています。
1590年の秀吉の小田原攻めにより北条家が滅ぼされた後は武家の地位を捨て、医薬師および商人となり、「透頂香」の製造とともにそのまま存続が認められ、江戸時代は宿老として街の発展に寄与したとのこと。
外郎家の当主は現在25代目になり、神奈川県小田原市本町に『ういろう』という屋号の店舗を構え、伝統を守り受け継いできた薬とお菓子、両方の「ういろう」を販売しています。
ちなみに小田原の『ういろう』の公式サイトでは、上述のういろう発祥の歴史である2つの通説とも少し異なる、「ういろうは2代目が大陸から来た外国使節団をもてなすために創作した菓子」という説が記載されていました。
現在では「ういろう」というとお菓子を連想する方が多くなりました。
この棹菓子「ういろう」も実は外郎家が創作したのが始まりです。
朝廷に外交役として仕えた二代目大年が、大陸から来た外国使節団の接待で自ら考案したお菓子を提供しました。
長旅の疲れを癒し、また慣れない日本の風土で食事がのどを通らない要人にしっかり栄養を摂ってもらいたい、そんなおもてなしの気持ちで創作したお菓子です。
当時はまだ砂糖を精製する技術がなく、南方から仕入れたサトウキビから抽出した黒砂糖を用いました。
黒砂糖は大変高価で貴族の栄養薬として仕入れた逸品、これを転用し米粉と練って蒸したものがお菓子の「ういろう」の原点です。
ういろうの歴史
個人的に和菓子の中でも「ういろう」が大好きで、以前から行ってみたかった、ういろうの元祖・本家であるこちらのお店。
今回念願の初訪問です。
ちなみに店舗は本店の他、小田原駅前に支店の「ういろう駅前調剤薬局店(家伝薬の販売は無し)」があり、どちらの店舗も2023年に食べログの和菓子・甘味処百名店に選出されています。
アクセス
本店は小田原駅から徒歩16分くらいの距離。

駐車場は店舗横にありました。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には10時20分頃に訪問。
この時先客は2組で、待ち時間かからずに購入出来ました。
メニュー・商品ラインアップ

取扱商品については公式サイトにこんな感じで掲載されているので、写真は撮っていませんが、薬と和菓子が同じ店内に並んでいるのは不思議な光景。

喫茶コーナーや外郎博物館も併設されています。
目当ての「お菓子のういろう」は白砂糖、抹茶、小豆、黒砂糖、栗、杏仁(本店で土日限定)があるとのこと。
今回はういろうの原点という『黒砂糖』を購入!
感想



【お菓子のういろう(黒砂糖)】864円(税込)
サイズは15×5×2cmくらい。
夏場は食べる前に冷やしたり、かたくなった場合は蒸してから食べるのがおすすめとのこと。
今回はそのままいただきました。
モチッとした食感ながら、伸びや粘りはそんなに強くなくて、若干ザラリとした舌触り。
芳醇でコクのある黒糖ならではの味わいがしっかり利きつつ、全体の甘さは上品でくどさのないバランスの良さ。
見た目はまるでチョコレートのような色の濃さ、今まで食べた黒糖系のういろうの中でも一際濃厚で、とても好みでした。
また他の味のういろうや和菓子類も気になるので、小田原に来た際のお土産の定番にしたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
ういろう
0465-24-0560
神奈川県小田原市本町1-13-17

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