訪問日:2026年9月4日(金)
鳥取の梨

鳥取県を代表する果物として有名な「梨」。
かつて日本一の時期もありましたが、現在でも日本屈指の生産量を誇り、令和7年の農林水産統計のデータで鳥取県は全国5位になっています。(1位千葉県 2位茨城県 3位栃木県 4位福島県)
鳥取県の梨栽培は、明治14年~15年(1881~1882年)頃に、倉吉の行商人だった柴田徳四郎氏が岡山・広島方面から赤梨の品種「早生赤」の苗木を導入し、栽培に成功したことが始まり。
明治20年(1887年)には北条の豪農・岩本諒蔵も赤梨の生産を開始し、これをきっかけに鳥取県の梨栽培が本格的に動き始めたそうです。

鳥取県が国内有数の梨産地へと発展する大きなきっかけとなったのが、現在も県を代表する品種として親しまれている「二十世紀梨」。
「二十世紀梨」は明治21年(1888年)に、千葉県松戸市で松戸覚之助という当時13歳の少年によって、ごみ置き場のまわりに生えていたのを偶然発見されたもの。
当時の梨は果皮が茶色の「赤梨」が主流であったのに対し、「二十世紀梨」は淡緑色の「青梨」で、肉質が柔らかく多汁、口の中にいれると自然にとけるような美味しい梨であり、「二十世紀になったら梨の王様になるだろう」と期待して「二十世紀梨」と名付けられました。
鳥取県では明治37年(1904年)に北脇永治氏が傾斜地でも作れる果樹に注目し、二十世紀梨の苗木を10本購入したのが始まりで、明治41年(1908年)頃から県内に広がっていったそうです。
1900年初頭に二十世紀梨の栽培は全国的に始まったそうですが、「黒斑病」に弱いという欠点があり、栽培を断念する農家が続出したとのこと。
しかし鳥取県では生産者・行政・研究機関が一体となって防除技術を確立し、販売組織の整備や戦後の増産政策も進められ、全国最大の産地へ成長したことで、二十世紀梨は鳥取県を象徴する品種として定着しました。
ちなみに二十世紀梨の花は昭和29年(1954年)に鳥取県の県花に選定されています。


二十世紀梨をはじめ、鳥取の梨についての歴史や詳しい情報は、鳥取県倉吉市の倉吉パークスクエア内にある、日本で唯一の梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)」で学ぶことができます。


現在では鳥取県オリジナル品種として、「なつひめ」、「新甘泉」、「秋栄」など、将来を担う数多くの新品種が誕生しています。

鳥取県における梨の収穫時期は8月~12月頃になりますが、個々の品種の収穫時期は短いため、様々な品種が入れ替わりながら登場し、中でも9月は豊富なラインアップ。
鳥取県では梨を使ったお土産品も数多く販売しており、梨狩りが楽しめる果樹園も多いので、シーズンになるとたくさんの観光客が訪れます。
鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)


今回訪れたのは、鳥取県倉吉市の倉吉パークスクエア内にある、日本で唯一の梨をテーマにした博物館『鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)』。
こちらは鳥取県における梨産業の歴史や栽培技術、梨にまつわる文化を広く紹介するとともに、果樹農業と観光の振興につなげることを目的として鳥取県が設置した施設で、開館日は2001年4月27日。
施設の正式名は『鳥取二十世紀梨記念館』ですが、2024年4月1日から「株式会社エースパック」がネーミングライツスポンサーとなり、『エースパックなしっこ館』の愛称が使用されています。
鳥取県に限らず世界の梨についても学ぶことができ、館内中央に展示された直径約20mの二十世紀梨の巨木や、様々な種類の梨の木が展示されている梨ガーデン、季節ごとに異なる3品種の梨の食べくらべコーナー、梨スイーツが楽しめるフルーツパーラーもあり、博物館と観光施設の両方の魅力を兼ね備えています。
以前からずっと行ってみたかった施設で、今回は鳥取の梨について学びつつ、梨の食べくらべコーナーやフルーツパーラーで鳥取の梨を堪能したいと思い、念願の初訪問です。
アクセス
場所は倉吉駅から徒歩50分くらいと駅からは遠めの立地。
バス停倉吉パークスクエア北口からは徒歩9分くらいの距離。
駐車場は倉吉パークスクエアの駐車場を無料で利用可能。
混雑状況
この日は平日の金曜日、滞在時間は14時〜16時半くらいでしたが、お客さんはそこそこいるくらいで、特に混雑はなく快適に回れました。
16時過ぎに行ったフルーツパーラーも客入り3割くらいで空いていました。
感想




入場料は大人300円(税込)、小人150円(税込)とお手頃価格なのも嬉しいポイント。
1日中でも楽しめそうなくらい見どころが満載ですが、サクッと見ると1時間、シアターなども含めじっくり見ると3時間くらいで全体は回れる印象。






特に面白かったのが梨ガーデン。
9月上旬の訪問時にはたくさんの梨が実っており、食用のものから野生種など、様々な品種を見て楽しめました。
こちらでは摘果体験(5月上中旬)、小袋掛け体験(5月上中旬)、大袋掛け体験(6月上旬)、収穫体験(9月中下旬、有料)などの作業体験学習も行っているとのこと。



梨の食べくらべコーナーは季節によって品種が変わるそうですが、旬の時期以外にも鳥取県で開発された氷温貯蔵技術で貯蔵した梨を提供しているため、1年中3品種の食べくらべができるそうです。

この日は「なつひめ」、「秋栄」、「新甘泉」の3種類。
「なつひめ」は高糖度の赤梨「筑水」に「おさ二十世紀」をかけあわせ、鳥取県園芸試験場で育成され、平成19年3月に登録された鳥取県生まれの青梨。
シャキッと食感が良く、さっぱりとした爽やかですが、酸味はほんのりと優しく甘さが際立つ味わい。
「秋栄」は「おさ二十世紀」と「幸水」をかけあわせ、鳥取大学が平成9年に登録した鳥取県生まれの赤梨。
程良い酸味とともに甘さもしっかり強く、やや濃密ながら上品な味わい。
「新甘泉」は「おさ二十世紀」と「豊水」をかけあわせ、鳥取県園芸試験場で育成され、平成20年2月に登録された鳥取県生まれの赤梨。
特に瑞々しくてジューシーで、甘みの強さも段違い。
今回食べた3種類の個人的な好みの順は、上から新甘泉、秋栄、なつひめという結果でした。
「新甘泉」は鳥取県の梨の中でも、以前から一番お気に入りの品種で、やっぱり美味しいなと改めて実感しました。
色々な直売所や道の駅に行っても、「新甘泉」は現在鳥取県を代表するエース的な存在で、特に推されている印象です。


この後はなしっこ館直営のフルーツパーラーへ。
本来はパフェが食べたかったのですが、こちらは残念ながら売り切れ。
なので今回は梨ソフトクリームと、新甘泉のシャーベットを注文。


【新甘泉シャーベット】330円(税込)
【梨ソフトクリーム小】350円(税込)
まずはソフトクリームからいただきました。
こちらのソフトクリームには、二十世紀梨のブランド産地である東郷産の二十世紀梨をピューレにして使用しているとのこと。
甘さと酸味のバランスが良い、さっぱりとした味わいの二十世紀梨のイメージとは異なり、結構甘めでミルキー、風味も少し人工的な感じ。
正直期待していたものとは違うという結果でした。
しかし新甘泉シャーベットは梨果肉が濃密になったような味わいで、さらっとした舌触りも良く、めちゃくちゃ美味しかったです。
こちらは「白バラ牛乳」でお馴染みの「大山乳業農業協同組合」が製造するもので、また見かけたら必ず買いたいお気に入り商品になりました。
また梨のシーズンには鳥取に遊びに行きたいですね。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
鳥取二十世紀梨記念館 なしっこ館
0858-23-1174
鳥取県倉吉市駄経寺町198-4 倉吉パークスクエア


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