訪問日:2025年12月5日(金)
打ち込み汁・打ち込みうどん
香川県の冬の郷土料理として根付いている「打ち込み汁」。
味付けや原材料などは家庭によって様々だと思いますが、一般的な特徴はいりこ出汁を利かせた味噌ベースの汁に、季節の野菜などを入れて、塩を加えず小麦粉と水だけで打った生麺をそのまま入れて煮込む料理。
香川では主にうどんが使用されるため、「打ち込みうどん」という料理名でも知られています。
通常うどんは塩分を抜くためにあらかじめ茹でる必要がありますが、「打ち込み汁」は打ち立ての麺を別茹でせずそのまま入れる様子から、「打ち込み汁」と名付けられたといわれています。
味噌味であることや麺の特徴は、山梨県の「ほうとう」や名古屋の「味噌煮込みうどん」と共通点がありますね。
ハレ食の手打ちうどんに対して、「打ち込み汁」は冬の日常食として手軽に作られた料理といわれています。
そのため、一般的な讃岐うどん店の定番メニューとしては並ばず、提供店は少なめで点在している印象です。
八十八庵

今回訪れたお店は、香川県さぬき市、四国霊場88番大窪寺門前にある「打ち込みうどん」の有名店『八十八庵(やそばあん)』。
「長い旅路を終えたお遍路さんの心と身体を癒す場所をつくりたい」という創業者の想いから、1959年にオープンしたお店とのこと。
創業当時はわらぶき屋根の店構えで、周辺には何もお店がなく、道路も舗装されていなかったため、標高450mに位置するお店まで食材を運ぶことは困難だったとのこと。
そのため山でとれる肉や野菜などを使用し、保存性に優れた味噌仕立てのうどんとして「打ち込みうどん」の提供を始めたそうです。
「打ち込みうどん」の提供店を調べると真っ先に名前が挙がる有名店という印象で、以前から行ってみたかったお店。
今回初訪問です。
アクセス
お店の近くに駅は無く、今回は車での訪問。
駐車場は店舗の東側にありました。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には14時過ぎに訪問。
この時店内は客入り3割くらいの印象で、待ち時間無く入店。
メニュー・商品ラインアップ


目当ての「打ち込みうどん」は基本2人前からの注文になりますが、1人客の場合は1人前でも注文可能だそうです。
うどんだけではなく「打ち込みそば」もあり、オリーブ牛肉入りバージョンもあるとのこと。
今回は同行者と2人での訪問なので、「打ち込みうどん」を2人前注文!
感想


【打ち込みうどん2人前】1960円(1人前980円)(税込)
こちらは白味噌仕立てで、具材の内訳は大根、にんじん、里芋、ごぼう、油揚げ、豚肉、ネギ、山椒七味。
麺は香川県産小麦「さぬきの夢2000」を100%使用し、大窪寺の裏山で湧くお大師様の霊水(金剛水)を使って丹念に練り上げて作る、こだわりの讃岐うどんを使っているとのこと。
鉄鍋の中にうどんがギッシリと入っているので、見た目ではわかりにくいですが、下の方に根菜類や豚肉もたっぷり入っていてボリューム満点。
煮込みうどんやほうとうの生麺は、煮込むと少しかたかったりボソボソした食感のものもありますが、ツルッとモチモチした食感で、コシのある美味しい讃岐うどんという感じ。
汁はまろやかでコクがある味噌の旨みが利いていますが、塩気は控えめで飲み干したくなる美味しさ、具材にはどれも味がよく染みていてとても美味しかったです。
熱々で体の芯から温まる冬にピッタリのうどん、この日は特に寒い日だったので、最高に幸せでした。
他にも大窪寺門前には「野田屋」というお店で「打ち込みうどん」が提供されており、こちらも有名。
次回は食べ比べもしたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/yasobaan
食べログ
八十八庵
0879-56-2160
香川県さぬき市多和兼割93-1

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