天むす処 けしき.

愛知県名古屋市中村区の那古野にある、目の前で握りたてを提供する「天むす」が看板メニューの人気店『天むす処 けしき.』。
「天むす」は一般的に名古屋名物として知られていますが、実は発祥の店は三重県津市にある「めいふつ天むすの千寿」であり、その歴史や、名古屋名物として広まった経緯についてはこちらの記事に詳しくまとめました。

『天むす処 けしき.』のオープンは2024年3月15日。
食べログの店舗情報(店舗関係者による公式編集)によると、こちらは元々「四家道BARけしき」で1番の人気メニューだった天むすが食べられるお店としてオープンしたものだそうです。
またお店を取材した「ことりっぷ」の記事によると、元々『天むす処 けしき.』がある場所では老舗の天むす店が営業していたそうですが、店主が高齢になって跡継ぎがおらず閉店するため、天むすの握り方などを教えてもらい、インテリアや内装も以前のものをほぼそのまま使用してお店を譲り受けたと書いてありました。
この「老舗の天むす店」について調べてみたところ、どうやら元々あったのは「めいふつ天むす千寿 北店」。
ただ『天むす処 けしき.』の天むすは「千寿」のものとは異なり、海老天が豪快に飛び出しているタイプなので、この辺りの真偽は不明です。
ちなみに運営は「株式会社Lizkichen」という会社が行っており、今回訪れた『名古屋総本店』の他に「名古屋栄三越店」があり、系列店として「手羽先むすめ」というお店もあるとのこと。
『天むす処 けしき.』はSNSや口コミなどで絶賛されており、休日などは何時間も待ちができるという人気店。
天むす好きとしては一度行ってみたかったお店です。
どうやら回転はあまり早くないようで、列の割に待ち時間が長いため、予約がおすすめという情報を目にしました。
こちらではネット予約の「TableCheck」を利用していますが、席を確保するための予約ではなく、あくまで空き次第優先的に案内するというものであり、混雑状況によっては待ち時間が発生するというもの。
しかも予約には1人当たり500円かかり、これはキャンセルしても予約通り訪問しても返金されないというシステムです。
それでもせっかく名古屋に来たのに、1時間も2時間も待ち時間に費やすのはもったいないと思ったので、今回は予約をしてからの訪問です。
アクセス
場所は国際センター駅から徒歩2分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況・衛生面
今回は予約時間の10分前に到着、この日は平日で雨ということもあって比較的空いており、店前には10人くらいの待ち列があるくらいでした。
予約時間より早く着いた場合でも案内できる可能性があるので、着き次第声をかけてくださいと予約時の案内に書いてありました。
店内に入って店員さんに声をかけたところ、「すぐに案内しますので、お店を出て右側でお待ちください」とのこと。
ちなみにこの時点でテーブル席は埋まっていましたが、カウンター席は空席がありました。
この少し後に2組くらいお客さんが店内から出てきたので、確かにすぐに案内されそうだと思ったのですが、なんとそこから雨が降る中、外で待つこと約30分。
席確保ではなく、あくまで優先案内ということは理解しているものの、ずっと店内の席は空いているのに座ることも出来ず、雨の中外で立って待ち続けるという、こんな対応は今まで見たことがありません。
しかも予約にお金を取った上でこの対応というのは、もはや一周回って面白くなってしまいました。
衛生面でも気になる点が多々ありました。
外から見えるガラス張りの部分に盆栽が飾られていたのですが、周辺にはホコリやゴミが溜まっており、置いてある人形も黒ずんでいました。
外から目に入る場所にも清掃が行き届いていないと感じたため、店内の清潔さに対する不安が残りました。
また店内に入ってからも、セルフサービスの水用の湯呑みがびちゃびちゃに濡れており、置かれている容器には水が溜まっていて、湯呑みの飲み口まで浸かっている状態。
そして置いてあるティッシュ箱も黒ずんだ紙の容器にサイズの合わないスカスカのビニールパックのティッシュが入っていて、普通に新しいティッシュ箱を置いたらいいのにと思ってしまいました。
飲食店として当たり前と思われる点でも気になることが多くあり、まだ料理が提供される前から、SNSや口コミなどで高評価が多いことが不思議でした。
メニュー・商品ラインナップ




注文は好みの種類と天むすと、麺・汁物から一品選ぶという流れ。
こちらでは天むすだけでなく、きしめんも美味しいと評判なので、今回は海老と明太子の天むす1個ずつと、釜玉えびきしめんを注文。
感想

【海老天むす】400円(税込)
【明太子天むす】480円(税込)
ご飯には大葉の爽やかな風味が利いていて、味は優しめなので、好みで自家製海老塩をつけるような形になっています。
好みは人それぞれなのでなんとも言えない部分ではありますが、あくまで個人的に思ったこととしては、海老天も明太子の天ぷらも美味しいものの、こんなに食べにくい天むすは初めてです。
天むすは天ぷらとおむすびのバランスがとても重要、この形状だと天ぷら部分とおむすび部分をちょうど良いバランスで食べることが難しく、味以前の問題です。
また、こちらのお店では「揚げたて・炊きたて・にぎりたて・巻きたて」の四拍子を掲げ、出来たてにこだわっているとのこと。
5秒以内に食べると海苔がパリパリで味が違うと書いてありました。
先に海老が来たのですが、せっかくなら明太子とセットで写真を撮りたかったので、出来たて直後に食べることを放棄し、少し待つことにしたのは私が悪かったと思います。
しかし明太子が来た直後にきしめんが提供され、食べ方の説明が始まったので、どちらにしても明太子はすぐに食べることは不可能です。
結局天むすときしめん、どちらかは放置するという結果になるので、出来立てを大切にするのであれば、提供の順番やタイミングにも配慮して欲しかったです。
目の前で握りたてで提供するのは握り寿司のような高級感があり、豪快に天ぷらが飛び出したビジュアルは見栄えがいいので、SNS映えしそうなものを好む方の中で高評価が多いのかなと感じました。

【釜玉えびきしめん】1150円(税込)
別皿にはネギと生姜を合わせた薬味、海老粉末入りの天かすが用意されていました。
ビラビラとした幅広の個性的な麺はもっちゅりとした独特な食感で好み。
味は海老のパンチが強く、少しビリビリとしたくどさを感じるレベルで、あまり好みに合わなかったです。
天むすもきしめんも大好きな料理、予約時の料金も含めると合計2500円以上も払ってまで、本当に何をしに来たのかわからなくなり、ただただ悲しくなったという結果でした。
最近はSNSで絶賛され、行列までできているのに、実際に食べてみると「なぜこれほど人気なのだろう」と首をかしげるお店が増えたように感じます。
もちろん味の好みは人それぞれですが、見た目のインパクトや話題性が注目を集め、肝心の美味しさや食べやすさの評価が置き去りになっているのでは、と思うこともあります。
写真や動画では伝わりにくい部分がある一方で、再生数や行列はわかりやすく目に入るもの。
「人気があるから気になる」という連鎖によって、評判と実際の満足度との間に隔たりが生まれてしまう、こうした人気の先行もSNSがもたらす弊害の一つなのかもしれません。
もっとも、私自身も「人気」という情報を深く疑うことなく訪れたわけで、その点については自分の見る目が甘かったと言わざるを得ません。
ただ今回の経験を通して、ネット上で語られる「人気」と、自分自身が感じる料理やサービスの良し悪しは、必ずしも一致するものではないと改めて感じました。
ご馳走様でした。
公式サイト等
https://www.instagram.com/temmusudokorokeshiki
食べログ
天むす処けしき. 名古屋本店
052-990-4704
愛知県名古屋市中村区那古野1-46-12 小鳥ビル 1F

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