訪問日:2023年11月5日(日)
茨城県を代表する冬の味覚「あんこう」
「西のふぐ 東のあんこう」と並び称される、茨城県を代表する冬の味覚「あんこう」。
主に底曳網で漁獲され、水揚げが多いのは平潟漁港・久慈漁港・那珂湊漁港など。
出荷量の多い時期は11月~3月頃ですが、特に肝が肥大する12月~2月頃が旬だそうです。
江戸時代には水戸藩から将軍家へ献上された高級食材でもあり、特に重宝されるあんこうの肝は五大珍味「三鳥二魚」(ひばり、ばん、鶴、アンコウ、タイ)の一つに数えられているとのこと。
あんこうは骨やあご、眼球以外は余すところなく食べることができ、「肝・水袋(胃)・皮・トモ(ヒレ)・エラ・ヌノ(卵巣)・身」は「あんこうの七つ道具」と呼ばれ、それぞれ違った食感や味わいを楽しむことができます。
体重の約8割が水分で全身が柔らかく、皮のぬめりが強いため、まな板の上に置いても安定せずに滑ってしまうことから、あごを金具等に引っ掛けて捌く「吊るし切り」が一般的。
県内各地では水揚げの時期になると吊るし切りの実演イベントも開催されています。
平成17年11月からは、特定の生産者(底びき網漁業者)によって茨城沖で漁獲され、一定の基準をクリアした2kg以上のあんこうを「茨城あんこう」と命名し、ブランド化されているとのこと。
その調理法も多彩で、あんこう鍋、から揚げ、あん肝、どぶ汁、あんこうの共酢など、様々なあんこうグルメが楽しめます。
麺屋まるみつ
今回茨城県であんこうグルメを食べに訪れたお店が、茨城県北茨城市の平潟町にある「あん肝ラーメン」が看板メニューのお店『麺屋まるみつ』。
こちらは1968年に平潟地区で初めての民宿としてオープンした「まるみつ旅館」が始めたラーメン店とのこと。
「まるみつ旅館」はあんこう料理が有名で、あんこう鍋は全国ご当地鍋フェスタ「鍋−1グランプリ」で優勝し、日本一に輝いた実績を持つそうです。
新型コロナウイルスの影響で2020年4月12日から休業を余儀なくされ、新しい収益の柱にと5月31日に『麺屋まるみつ』をオープン。
2015年から地元のイベントなどでは提供していたそうですが、コロナ禍をキッカケに正式に始めたそうです。
元々は8月末までの3カ月限定だったそうですが、通販も含めて2ヶ月で約3000食を売り上げる人気となり、現在でも茨城を代表するご当地ラーメンに育てていきたいという思いから提供が続けられています。
あん肝もラーメンも大好きな私にとっては魅力的すぎる「あん肝ラーメン」。
茨城北部を訪れた際は必ず行くと決めていたお店で、今回初訪問。
営業スケジュールは公式サイトや公式SNSなどでも情報発信されていますが、現在は土日の昼のみの営業のようです。
アクセス
場所は大津港駅から徒歩26分くらいの距離。
駐車場は店前にありました。
混雑状況
この日は日曜日、お店には12時50分頃に訪問。
個室席に案内していただいたので、正確な店内の混雑状況はよくわからなかったのですが、特に待ち時間はかからず、先客に何組かいるくらいで空いていた印象。
それにしても店内のサインの数がすごかったです。
メニュー・商品ラインナップ
ラーメンだけでなく、あんこう鍋を気軽に楽しめる御膳や単品があるのも魅力的。
今回は通常のあん肝ラーメンの約3倍のあん肝を使っているという『どぶ汁ラーメン』を注文!
感想
【どぶ汁ラーメン】2420円(税込)《※TV放送記念価格1980円》
「どぶ汁」とは
「どぶ汁」は茨城県から福島県南部の太平洋沿岸地域に伝わる漁師料理で、あんこう鍋の一種。
一般的なあんこう鍋とは異なり、どぶ汁は空の鍋であん肝を炒った後、あんこうの身と野菜を入れて火にかけ、あんこうと野菜から出た水分で煮込み、味噌で味を調えた料理。
水を使わないことから、飲み水の確保が難しく、水が貴重な船上ならではの料理として誕生したようです。
名前の由来はあん肝が溶け出して汁がどぶのように濁ることからや、どぶには「すべて」という意味がありあんこうの全てを入れることから、どぶろくの色に似ているからなど、諸説あるようです。
本来は水を加えずに作るものが「どぶ汁」と呼ばれていたそうですが、調理に手間や時間が掛かり、大衆向けに用意することが難しいため、現在では出汁を加えたものでもスープが濁るほどあん肝の量が多いものは「どぶ汁」と呼ばれているようです。
上にもあん肝がたっぷりトッピングされていますが、スープにもしっかりあん肝が溶け込んでいる感じ。
混ぜる前からこってりと重厚なあん肝の旨味がたっぷり、これはあん肝好きにはたまらないですね。
同行者が注文した通常の「あん肝ラーメン」はしっかり味噌ベースの味がよくわかりましたが、こちらの『どぶ汁ラーメン』は味噌よりもあん肝が突出している感じ、約3倍の量というのも納得です。
トッピングのあん肝も混ぜると、既に濃いからか思ったよりも大きな変化は感じず、スープの粘度は上がったものの、味はむしろまろやかクリーミーに。
麺はウェーブがかった形状の太麺でモッチモチの食感、濃いスープによく合いとても美味しいです。
あんこうの身は入っていませんが、大根や人参、ネギ、ワカメなどの具材も入っていて少し鍋感がありました。
別容器で一緒に提供された自家製の豆板醤を加えると、ピリッと程よい辛味で後味がスッキリとして相性抜群。
このスープは一滴も無駄にしたくないので、最後まで雑炊で堪能。
+150円で雑炊のトッピングにトマトとモッツァレラチーズを追加。
チーズでとろーりと更にまろやかになったものの、ゴリゴリのあん肝感が少し薄れたので、個人的には追加トッピングは無しの方が好みだったかもしれません。
雑炊はお椀3~4杯分くらいあり、お腹も満ちて大満足。
あん肝好きには悪魔的美味しさのラーメンでした!
普通の「あん肝ラーメン」でも十分あん肝は堪能できますし、味噌の旨味とあん肝のバランスが良く、こちらも激ウマのラーメンでした!
また必ず食べたい「あん肝ラーメン」、通販商品も一度購入してみたいところ。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.marumitsu-net.com/
食べログ
麺屋 まるみつ
0293-46-0569
茨城県北茨城市平潟町235
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