訪問日:2024年10月7日(月)
肉のスズキヤ 遠山ジンギス

長野県飯田市、信州の秘境と呼ばれる「遠山郷」にある、昭和32年(1957年)創業の老舗精肉店『肉のスズキヤ』。

牛・豚・鶏などの一般的なお肉だけでなく、鹿・山羊・猪・キジ・ウサギ・ウズラ・羊・馬・熊と、12種類ものお肉を販売しているそうです。
こちらは遠山郷の名物である、ニンニクと信州味噌を隠し味に秘伝のタレを揉み込んで作る味付け肉「遠山ジンギス」で有名なお店。
長野県飯田市は人口1万人あたりの焼肉店舗数が日本一という焼肉の街として知られていますが、そのきっかけになったのは昭和19年に始まった飯島発電所の建設工事。
元々肉は「煮る」や「茹でる」といった調理法が浸透していましたが、当時はこの建設工事のためにたくさんの朝鮮半島・中国出身者の労働者が遠山郷に滞在し、その朝鮮半島・中国出身者の労働者たちは牛や豚を河原で捌き、一斗缶に炭を入れて焼いて食べていたそうで、異国の食文化である焼肉が広まったとのこと。
戦時中には羊毛需要が高まり、第2次世界大戦が勃発して羊毛の輸入が困難になったことから、政府は綿羊増殖計画を打ち出し、遠山郷でも多くの綿羊が飼育されるようになったそうですが、戦後に羊毛が輸入自由化されて綿羊飼育が衰退し、食用として安く出回ることに。
『肉のスズキヤ』が創業して間もない頃、綿羊を肉用として売れないかという相談があったそうで、朝鮮半島出身の人にタレの作り方を教わり、日本人の口に合うよう改良を重ねた味付け肉「遠山ジンギス」が誕生。
以降羊に限らず、豚や鹿、鶏、猪にも味を付けて欲しいという要望があり、現在のようなバリエーション豊富な「遠山ジンギス」が販売されるようになったそうです。
遠山郷は昔から林業や山の仕事が盛んな土地であり、「遠山ジンギス」は特に過酷な力仕事に従事する山の労働者たちに好んで食べられてきたとのこと。
「肉のスズキヤ」以外にも「星野屋」や「清水屋」というお店でも販売されているという情報が出てきましたが、「星野屋」はGoogleマップで閉業と書いてあり、公式サイトも見当たらず詳細はよくわかりませんが、「清水屋」は公式のInstagramが出てきて現在も営業中のようでした。


『肉のスズキヤ』は以前ふるさと納税で「珍肉キワモノセット」という返礼品をいただいたことがあり、こんなお店があるのかととても気になっていました。
この時は熊、ウサギ、山羊の肉をいただきましたが、どれも美味しかったです。
ネット販売も行っていますが、一度お店まで行ってみたいと思い、今回初訪問。
アクセス
駐車場は店舗前のスペースに駐車可能とのこと。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には11時20分頃に訪問。
この時先客はおらず私のみでした。
メニュー・商品ラインアップ







基本は肉の販売になりますが、事前予約制で焼肉スペースも利用可能で、コンロや鉄板などを無料で借りられるそうです。



種類が多すぎて何を買うべきか悩みますが、こんな感じで人気商品や定番商品をまとめてあります。

今回は個人的に気になったお肉を3種類購入。
感想


【鹿ジン200g】850円(税込)
オススメの食べ方は「野菜と炒めて」、「炭火でアミ焼き」、「ご飯にのせて」と書いてあったので、今回は野菜と共に炒めました。
脂っこさは無くあっさりしていますがパサつかず、程良い弾力があって歯切れの良い食感。
ほんのり甘さの効いたコクのある味付けもご飯と相性が良く、野菜にもタレの味がよく絡みとても美味しかったです。


【猪ジン170g】850円(税込)
こちらもオススメの食べ方は「鹿ジン」と一緒なので、野菜と共に炒めました。
こちらは少し脂多めに感じ、噛み応えのある食感。
ほんのりと独特の野性味ある風味が感じられますが、クセというほどではなく味に深みが出る印象で、こちらもまた美味しかったです。


【遠山ジンギスハイグレードたっぷりサイズ260g】840円(税込)
遠山ジンギス定番の羊肉、こちらはオーストラリア産のマトン肉を使用。
オススメの食べ方は「網で炭火焼き」ですが家庭では難しく、鉄板やホットプレートで焼く際は他の肉や野菜と混ぜ合わさないように書いてあったので、単品でフライパンで焼きました。
こちらはピリ辛の味付けで、程良く脂がのった柔らかく歯切れの良い食感。
マトン独特の風味はありますが、臭みというほど強くはなく、上品な味わいでとても美味しかったです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
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食べログ
肉のスズキヤ
0260-34-2222
長野県飯田市南信濃和田1348
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