訪問日:2025年6月2日(月)
茶飯とは
古くからの歴史がある、奈良県発祥といわれている郷土料理「茶飯」。
米に炒った大豆や小豆、焼いた栗、粟など、保存の利く穀物や季節の野菜を加え、塩や醤油で味付けした煎茶やほうじ茶で炊き込んだもの。
毎年3月に東大寺で行われ、「お水取り」として知られる東大寺二月堂の修二会は752年から続けられてきたという行事ですが、その練行衆の献立には「ごぼう(ゴボ)」や「ゲチャ」というものが出てくるそうです。
「ゲチャ」は米をほうじ茶で煮て汁を取り去った「茶飯」の原点のようなもので、「ゴボ」は「茶粥」の汁の多いものといわれています。
「茶粥」は奈良の代表的な日常食として食べられるようになりましたが、「茶飯」は庶民の間には広く普及しなかったそうです。
しかし奈良の「茶飯」を気に入った旅人が江戸で広めたことで、浅草寺付近に「奈良茶」という料理名の茶飯の店が多くでき、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」に登場したことで有名になったといわれています。
一説では元々江戸に広まったのは「茶粥」であり、その後江戸人の好みに合わせて水気を減らした堅粥に変化し、「茶飯」に至ったともいわれています。
「茶飯」は米と大豆からなるバランスがとれた栄養食であり、腹持ちも良かったため、全国各地で広く知られるようになり、明治以降に再び奈良でも広まりはじめたそうです。
農林水産省の公式サイトによると、「茶飯」は奈良の他にも神奈川県の川崎市や、福井県の今庄地区の郷土料理として紹介されています。
おむすび番旬

今回訪れたお店は、奈良県奈良市のもちいどのセンター街にて、2023年12月20日にオープンしたおにぎり専門店『おむすび番旬』。
こちらでは奈良の郷土料理である「茶飯」を使ったおにぎりが名物で、テレビ番組「マツコの知らない世界」など、様々なメディアに取り上げられている話題のお店。
最近はおにぎり専門店がブームになっており、もはや数えきれないほど新規オープンしていますが、ただブームにのるだけでなく、この流行の波を活かしながら地域の魅力を発信しているお店にはとても惹かれます。
アクセス
場所は近鉄奈良駅から徒歩8分、JR奈良駅から徒歩15分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には16時20分頃に訪問。
店内にはイートインスペースもあり、この時先客は無しでした。
メニュー・商品ラインアップ




おにぎりに欠かせない海苔は、おにぎり購入後に焼海苔が無料で付くというスタイル。
人気ランキングTOP3は上から「奈良茶飯」、「塩麹鮭」、「昆布」でした。
価格はシンプルなものでは100円台、あとは200円台が中心で、最近のおにぎり専門店の中ではかなりお手頃価格という印象。
しかもイートインの場合は味噌汁無料のサービスもあります。
目当ての「奈良茶飯」は塩、醤油、奈良漬け入りのものがあったので、今回は塩と醤油を1個ずつ購入し、イートインを利用。
店内にはレンジも置いてありましたが、今回はそのまま常温でいただきました。
感想



【奈良茶飯おむすび醤油・塩】各250円(税込)
茶飯に使うほうじ茶はお店のオリジナルブレンドで、中に入っている大豆は炒ってから茶と米を一緒に炊き込んでいるとのこと。
まずは塩からいただきました。
ご飯は適度にギュッと握られたかたすぎず重すぎない質感。
海苔はパリッと歯切れが良い食感で香り高く、お茶の風味は海苔に紛れてそこまで強くは感じませんでしたが、やはり白飯とは異なる独特の香ばしさがあります。
優しくて素朴な塩味、炒り大豆はホクホクとポリポリが合わさったような食感で良いアクセントに。
醤油も基本は同じですが、塩よりもコクがある味わいで、どちらも美味しかったです。

そして味噌汁にはネギ、油揚げ、豆腐、えのきなど、具材もしっかり入っていてとても嬉しいサービス。

同行者は「カリカリ梅しそおむすび」270円(税込)と「サバと生姜の炊き込みご飯」270円(税込)を購入したので、少しシェアしていただきました。
こちらは具材が中心に固まっているタイプではなく、全体に混ざっている感じで、どちらも結構具沢山。
梅としその風味が爽やか、そしてサバの方は旨味たっぷりの味わいに生姜の効いた後味が絶妙で、どちらも美味しかったです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/omusubi_bansyun
食べログ
おむすび 番旬
0742-71-0345
奈良県奈良市光明院町13
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