訪問日:2026年10月29日(木)
りんご王国 青森県

全国のりんご収穫量の約6割を占め、日本一の産地として知られる青森県。
県西部の津軽地方を中心に栽培が盛んで、中でも弘前市、黒石市、平川市、藤崎町など、中南地域が栽培面積の66.1%を占めています。(資料:R7青森県りんご果樹課)
りんごの原産地は、中央アジアのコーカサス山脈と、中国の天山山脈を中心とした山岳地帯と考えられており、各地へ伝わる過程で交雑や改良が重ねられ、現在の多彩な品種につながってきたといわれています。

日本では西洋りんごが普及する以前から、中国から伝わった小粒の「和りんご」が栽培されていたとのこと。
伝来時期には諸説ありますが、平安~鎌倉時代とされ、江戸時代には長野の「高坂りんご」や滋賀の「彦根りんご」などが知られ、食用のほか、お盆のお供え物などにも利用されていたそうです。
明治時代に西洋りんごが本格的に導入されると、次第にこちらが主流となり、和りんごの栽培は衰退しましたが、現在も「高坂りんご」など一部の系統が受け継がれています。
青森りんごの始まりとされるのは、1875年(明治8年)春、内務省勧業寮から配布された西洋りんごの苗木3本が、青森県庁の構内に植えられたこと。
その後も苗木の配布や試験栽培が進められ、1877年(明治10年)には弘前で初めての結実を記録。
栽培の普及には旧弘前藩士の菊池楯衛(きくちたてえ)らが尽力し、苗木の育成や技術の指導が行われました。
明治時代には鉄道の開通によって遠方への輸送条件も整い、販路が拡大。
一方で病害虫の大発生などにも見舞われましたが、袋かけ栽培や防除技術の普及、試験研究の積み重ねによって、現在の大産地へと発展してきたそうです。
青森県は夏でも比較的冷涼で、朝晩の寒暖差があり、りんご栽培に適した気候が特徴。
さらに、枝を整える剪定、実の数を調整する摘果、果実の日当たりをよくする葉つみや玉まわしなど、一年を通じた細かな手入れがおいしさや美しい外観を支えています。

県内では主に約50種類が栽培され、そのうち約40種類が市場に出荷されているとのこと。

主力は「ふじ」で、2025年の品種別栽培面積では約47%を占めており、次いで「つがる」、「王林」、「ジョナゴールド」が多くなっています。(資料:青森県りんご対策協議会)

中でも「ふじ」は青森県藤崎町が発祥の地であり、農林省園芸試験場東北支場で育成された品種。
1939年(昭和14年)に「国光」と「デリシャス」を交配し、長年の選抜や試験栽培を経て、1962年(昭和37年)に命名・登録されました。
シャキシャキした食感と豊富な果汁、甘みと酸味のバランスが魅力です。
ほかにも、酸味が穏やかで甘みを感じやすい「つがる」、芳香と甘みが特徴の「王林」、甘酸っぱく生食にも加工にも向く「ジョナゴールド」、黄色い果皮で香り豊かな「トキ」、アップルパイなどに使われる酸味の強い「紅玉」、大玉で香りのよい「陸奥(むつ)」など、品種によって味わいや用途も様々です。
ちなみに、店頭で見かける「ふじ」と「サンふじ」は同じ品種で、主な違いは栽培方法。
袋をかけて育てる有袋ふじは着色や貯蔵性に優れ、袋をかけずに育てるサンふじは、甘みや香りが強くなる傾向があるそうです。
収穫は主に8~11月にかけて行われ、品種ごとに順番に旬を迎えます。
また、冷蔵設備に加え、果実の呼吸を調整して鮮度を保つ「CA貯蔵」が普及していることも青森りんごの強み。
貯蔵性の高い品種と保存技術を組み合わせることで、翌年の春や夏にも出荷され、一年を通して楽しめるようになっています。
生の果実だけでなく、ジュースやジャム、アップルパイ、りんご飴などのお菓子、りんごの醸造酒であるシードルなど、様々な形で味わえることも魅力です。

中でも「アップルパイ」は大人気で、弘前市では「弘前アップルパイガイドマップ」も作られるなど、食べ比べが観光の楽しみの一つになっています。

また、りんごの収穫時期には、真っ赤な実がたわわに実るりんご畑の絶景も、青森ならではの見どころ。
収穫体験を楽しめる農園もあり、自分の手でもぎ取る楽しさや、採れたての美味しさを通して、りんごの産地ならではの秋を満喫できます。
大正浪漫喫茶室

今回訪れたお店は、青森県弘前市、弘前公園に隣接する「藤田記念庭園」の洋館内にある『大正浪漫喫茶室』。
大正時代に建てられた歴史ある洋館で、弘前市内の様々なお店から取り寄せたアップルパイを楽しめる喫茶店です。

大広間やサンルームを利用した客席は、当時の面影が残る趣ある空間。

特に庭園を眺められるガラス張りのサンルームが印象的で、弘前らしい洋館の雰囲気を味わいながら、ひと休みできるのが魅力です。
喫茶室のオープンは1992年(平成4年)7月で、運営は「公益社団法人 弘前観光コンベンション協会」。

建物は、弘前出身の実業家で日本商工会議所の初代会頭を務めた藤田謙一氏の別邸として、1921年(大正10年)に建てられたもの。
ステンドグラスや暖炉、シャンデリアなどが残り、当時の洋館文化を今に伝えています。
その後、弘前市による整備を経て、1991年(平成3年)7月に「藤田記念庭園」として開園。
翌年に喫茶室がオープンし、大正時代の雰囲気を味わってもらおうと『大正浪漫喫茶室』と名付けられたそうです。
洋館は2003年(平成15年)7月に国の登録有形文化財に登録されています。
また、弘前を舞台にした漫画・アニメ「ふらいんぐうぃっち」に登場する「喫茶コンクルシオ」のモデルとしても知られているとのこと。
同じ庭園内には、2017年(平成29年)7月23日にオープンした姉妹店「クラフト&和カフェ 匠館(たくみかん)」もあり、こちらでは和風パフェやかき氷などを楽しめるほか、津軽の工芸品の展示・販売も行っています。
今回は、1店舗で色々なお店のアップルパイを楽しめるという点に魅力を感じ、訪問することにしました。
アクセス
場所は中央弘前駅から徒歩18分くらいの距離。

駐車場は「藤田記念庭園」の駐車場を利用可能ですが、『大正浪漫喫茶室』は少し離れた場所にあります。


「藤田記念庭園」の入園は有料ですが、『大正浪漫喫茶室』のみ利用する場合は、高台部「冠木門」から入園することで無料になります。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には13時40分頃に訪問。

まずは喫茶入口にある「順番待ちシステム」で受付をしますが、さくらまつり期間など繁忙期以外は予約も可能です。
ラストオーダーは16時ですが、混雑時は早くに受付を終了する場合もあるそうなので、今回は4日前に電話で予約をしておきました。

この時16組待ちでしたし、私が退店した14時10分頃には受付終了になっていたので、本当に予約しておいて良かったです。
平日でも大人気ですね。
ちなみに予約は14時からで、少し早めに着いてしまったのですが、席の片付けが完了し次第案内可能とのことで、数分の待ち時間で入れました。
メニュー・商品ラインナップ






無事すんなりと入店できたのは良かったのですが、残念ながらアップルパイはいくつか売り切れており、やはり早めの時間帯がおすすめ。
特に食べてみたかった「ないすらいふ」が売り切れだったのはショックでした。
今回は残っている中から3種類のアップルパイと、人気No.1という「ティーアップル」を注文!
感想


【ゆめりんごファーム】660円(税込)
(メニュー説明)
青森県産小麦使用のバター風味豊かな自然派アップルパイ。温かいタイプ。
パイ生地はサクサクと香ばしいですが、あっさりとしていて素朴な味わい。
りんごはゴロゴロと入っていますが全体の量は手頃で、オーソドックスな美味しさのアップルパイでした。

【ジャルダン】660円(税込)
(メニュー説明)
りんご本来のやさしくあっさりした味わいのアップルパイ。温かいタイプ。
パリパリとした軽い食感で、こちらの方がバター風味は強い印象。
中のりんごは柔らかく、甘酸っぱく濃密で量もやや多めの印象。
りんごの美味しさをストレートに楽しめるアップルパイでした。

【シャロン洋菓子店】660円(税込)
(メニュー説明)
たっぷり入ったりんごの歯ざわりが楽しめる、優しいアップルパイ。冷たいタイプ。
パイ生地はしっとりとさっくりした食感で、半熟のようなシャクシャクとした食感が楽しめるりんごがたっぷりぎっしり。
がっつりとりんごが楽しめるアップルパイで、今回注文した中ではこちらが優勝でした。
今までに色々なアップルパイを食べ歩いてきましたが、結局のところりんごが多ければ多いほど、個人的に好みにハマるという印象です。笑

【ティーアップル】550円(税込)
(メニュー説明)
紅茶とリンゴジュースが二層になったドリンク。
甘酸っぱくフルーティなりんごジュースの味わいをベースに、ほんのりと紅茶ならではの香りや渋みが相まった感じで、とても上品。
こちらもとても美味しかったです。
アップルパイの食べ比べを堪能できましたし、趣ある店内で素敵な時間を過ごすことができました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/taishoroman__
食べログ
大正浪漫喫茶室
0172-37-5690
青森県弘前市大字上白銀町8-1 藤田記念庭園内

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