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冬季限定メニュー『しっぽくうどん』と『讃岐でんぶくの天ぷら』!【うどん本陣 山田家】(香川県高松市)

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本サイトでは、実際に訪れた際の感想とともに、お店の基本情報や混雑状況、アクセス・駐車場情報、メニューや商品ラインアップなどを可能な範囲で調査し、記事を執筆しています。

名物・ご当地グルメ・郷土料理を取り上げる記事では、その名物の特徴や歴史を詳しく解説しております。

本記事の内容は、確認時点(訪問日・更新日等)の情報に基づいています。メニュー構成や価格、営業時間、定休日などは変更される場合があります。最新の状況は店舗公式サイトやSNS、または直接の問い合わせでご確認ください。

訪問日:2025年12月5日(金)

目次

讃岐うどんとは

香川県を代表する名物として、全国的にも圧倒的な知名度を誇る「うどん」。

1871年までのこの地域の名前であった讃岐国にちなんだ「讃岐うどん」という呼び名で親しまれています。

「讃岐うどん」の歴史は古く、諸説ありますが、通説では奈良時代に弘法大師空海が唐の国からうどん作りに適した小麦と製麺技術を持ち帰り、日本に伝えたことが始まりといわれています。

現在のような長い麺状になったのは江戸時代の頃と考えられており、当時はうどんの原型とされる「はくたく」という団子をつぶしたような形で、空海はこれを弟子の智泉に伝授し、智泉は作ったうどんを滝宮で家族に振る舞ったことから、香川県綾川町滝宮は「讃岐うどん発祥の地」といわれています。

讃岐うどんに限らず「うどん発祥の地」についても諸説あり、この香川県綾川町滝宮説もその一つ、他にも福岡博多説や奈良説などもあります。

讃岐うどんの最古の資料は、元禄年間(1688年〜1704年)に金刀比羅宮の大祭の様子を描いた「金毘羅祭礼図屏風」で、そこには3軒のうどん屋が描かれており、この時代から既に香川がうどんの先進地帯の一つであったことを示しているとのこと。

香川でうどんが広まったのは、小作地が多い上に降水量が少なくて干ばつに悩まされることが多く、米よりも上質の小麦をつくるのに適していた地域であったこと、伊吹島のいりこ、小豆島や引田地域の醤油、坂出市を中心とした塩田の塩など、うどんの原料が豊富に揃っていたことが理由と考えられています。

現在のようなうどん店が誕生したのは昭和40年代以降といわれており、県内で小型の製麺機が開発されたことや、うどんに最適なオーストラリア産小麦が輸入されるようになり、製麺の傍らお客さんに提供するセルフサービス方式のお店が増えていったとのこと。

この頃まではうどんが香川の名物であるという認識はそれほど一般的ではなかったそうですが、昭和45年(1970年)の大阪万博で讃岐うどんを販売したところ、来場客から大人気となり、全国に一躍その名が知れ渡ることに。

さらに1980年代に地元タウン誌で讃岐うどんが特集されたことや、1988年に瀬戸大橋が開通したことにより、県内外から観光客が訪れるようになり、全国的ブームになったといわれています。

お店によっても異なりますが、「讃岐うどん」の特徴といわれているものは以下の通り。

●小麦の風味が豊かで、モチッとした弾力に富んだコシの強い麺。
●出汁には主にいりこ(煮干し)が使われる。
●生姜やネギなどの薬味が多用される。
●かけ、ぶっかけ、醤油、ざる、釜揚げ、釜玉、湯だめ、肉、カレー、しっぽく、打ち込みなど、食べ方のバリエーションが豊富。
●セルフサービス方式のお店が多い。
●朝から昼にかけて営業するお店が多い。

ちなみに「讃岐うどん」という名称を使用すること自体に制限はないそうですが、生めん類において名産、特産、本場、名物等を表示する場合のみ、「生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則」において以下のように定義されています。

●香川県内で製造されたもの
●手打、手打式(風)のもの
●加水量 – 小麦粉重量に対し40%以上
●食塩 – 小麦粉重量に対し3%以上
●熟成時間 – 2時間以上
●ゆでる場合 – ゆで時間約15分間で十分アルファ化されていること

香川は他にも様々なご当地グルメや郷土料理がありますが、やはりうどんは欠かせないグルメで、旅行で訪れると朝から晩までうどんばかり食べてしまう日も珍しくありません。

同じように見えてお店ごとに味・食感・スタイルが結構違うので、うどん好きの私にとってはどれだけ巡っても飽きが来ずに楽しめます。

うどん本陣 山田家

今回訪れたお店は、香川県高松市牟礼町、第八十五番札所五剣山・八栗寺参道沿いにある人気うどん店『うどん本陣 山田家』。

江戸時代には大庄屋として一帯を治め、明治以降は銘酒「源氏正宗」の蔵元として栄えたそうですが、『うどん本陣 山田家』としては15代目当主が1978年に創業したことが始まりとのこと。

多い日には一日4000人もの行列が出来るそうで、食べログのうどん百名店には2017~2020・2022・2024年に選出されています。

こちらのお店は讃岐うどんをはじめ、現在うどんの食べ方の定番の一つになっている「ぶっかけうどん」の元祖としても有名。

「ぶっかけうどん」は麺に濃いめのつゆを少量かけて食べられるうどんのこと。

香川県と岡山県で名物になっていますが、全国的な讃岐うどんブームの影響から、特に香川県の名物として知名度が高い印象。

元祖のお店については諸説あり、香川県における元祖としてはこちらの『うどん本陣 山田家』と「山下うどん」の2店が有名。

誕生の背景もそれぞれ異なりますが、『うどん本陣 山田家』では元々「かけそば」を元に、現在一般的には「かけうどん」と呼ばれる、熱々のかけ出汁をかけたうどんを「ぶっかけうどん」と名付けたことが始まり。

詳しくはこちらの記事に書いてありますが、こちらのお店では一般的な「かけうどん」を「ぶっかけうどん」、濃いつゆをかけたうどんを「釜ぶっかけ(温)」、「ざるぶっかけ(冷)」という名前で提供されています。

https://yamada-ya.com/yamadaya_club/pdf/yamadaya_club_vol29.pdf

以前からお気に入りのお店ですが、今回は冬季限定メニューである「しっぽくうどん」と「讃岐でんぶくの天ぷら」を目当てに再訪。

しっぽくうどんとは

「しっぽくうどん」とは、大根や人参など季節の野菜や油揚げなどを出汁とともに一度に煮込み、茹でたうどんの上に具材ごと汁をかけて盛り付ける料理。

具沢山で栄養価が高く、優しくて素朴な味わいが特徴で、主に秋から冬にかけての寒い時期に好まれる郷土料理。

家庭料理として食べられる他、讃岐うどん店でも冬季限定のメニューとして提供されることが多い印象。

発祥の歴史について、あまり公的な文献や記録はないのか、詳細な情報は調べてみてもよくわかりませんでしたが、名前は長崎の郷土料理である「卓袱(しっぽく)料理」が由来という説が有名です。

「卓袱料理」は和洋中の要素が合わさった長崎独自のコース料理で、「卓」はテーブル、「袱」はテーブルクロスを意味する言葉であり、大皿に盛られた料理を円卓を囲んで各人が小皿に取り分けて味わうというスタイル。

卓袱料理では大皿に色々盛られていることから具沢山であるしっぽくうどんの由来になった、卓袱料理の中にある具沢山の料理が卓袱うどんの由来になったなど諸説ありますが、いずれも根拠は不明です。

また元々は方言で「しっぽこ」と呼ばれている「ヤマドリ」が「しっぽくうどん」に使われていたことが由来という説もあります。

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讃岐でんぶくとは

「讃岐でんぶく」は香川県産の「天然ナシフグ」のブランド名で、2010年に商標登録されています。

「でんぶく」という呼び名は漁師たちが伝えてきた「ナシフグ」の愛称のこと。

「ナシフグ」はかつて皮・肝臓・卵巣に毒があるものの、肉は無毒であり、漁獲量も多かったため、手頃な値段で楽しめるフグとして人気があったそうです。

しかし韓国から輸入されたナシフグの肉から基準を超える毒が発見され、食中毒が相次いだことをきっかけに、1993年に全国的に販売が禁止になったとのこと。

その後水域によっては肉に毒を持たないことが証明され、1995年に九州の有明海・橘湾海域、1998年に香川県・岡山県の瀬戸内海域で漁獲されたものに限り漁獲・販売が認められるようになりました。

地元ではフグの王様で知られる「トラフグ」に勝るとも劣らないと高い評価を受けており、知る人ぞ知る「幻の隠れフグ」ともいわれています。

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